ある。実に血みどろな封建ボスとの闘いの均衡の中で行なわれているのである。青年達が、アトラスのように、土をもち上げようとした喘ぎの一つ一つの現象なのである。
二十二カ町村の中から、鞆も、呉も脱落した。米がないからと断わって来たから、農村に一握りカンパをして、五升の米をやるといっても、出来上らなかった。数千の労働者がいても出来ない街もある。二十五名でも出来る村もある。それは激しい闘いであり、一つの村で勝ったり、一つの村で敗れたりしているのである。
農村では勝敗の分け目は、バクチを打つ青年のパーセンテージで定まるのである。今日読書会に出た青年が、明日バクチを打つかもしれないのを防ぎ止めるところに、指導青年の苦心があるのである。二、三名の闘いに闘っている青年達は、よい講師が他村にもって行かれる事を実にくやしがる。「来年は、先生たのみます」と泣くようにいう。そんな時、実に私も泣けて来る。都会で論争と喧嘩ばかりしてる講師達が、どうして、この青年達の真中に飛込んで来てやらないのか。村は、村から村へ、反動攻勢のボス連の焼き打ちにかかって、次から次へ燃えてしまって、焼け落ちていっているのに。
街の
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