とき、人々は常に再び孤独にかえったのであるが、私たちは、図書館人の紐帯と組織が、もはや心理的条件の媒介にあらず、それが、「論理」と「現実」に密着することの上に打ち立てられたことを思い返すとき、私たちはもはや孤独ではない。
図書館を社会教育法の仕上げのかたちにおいて、新たなる戦列に就くにあたって、私たちのこの孤独ならざる深いこころ、この「論理」と「現実」に着く魂は、かならずや、人々を鍛え、鼓舞し、支えるに違いない。
文化の闘いにおいて、私たちが、一人ずつでなかったことを、この大会で、最も具体的に互いに確認し合ったことは、まことにこの大会を輝かしいものにした。
二十世紀の後半の、巌頭に立って、わが日本図書館協会は、まったくそれにふさわしく出発したことについて、諸兄とともに、その喜びをわかち合いたいのである。
[#地付き]*『図書館雑誌』一九五〇年六月号
底本:「中井正一全集 第四巻 文化と集団の論理」
1981(昭和56)年5月25日第1刷
初出:「図書館雑誌」
1950(昭和25)年6月号
入力:鈴木厚司
校正:染川隆俊
2009年8月23日作成
青空文庫作成ファ
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