決するものであることもあった。それは私たちになつかしい追憶のものでもあった。
 しかし、今次大会は、この空気はようやくその姿を消して、もはや、この量、この質にあっては、人々を結ぶものは心理的紐帯でもってつなぐには、あまりにも巨大なるものに発展してしまったのである。
 かかる段階の結集をつなぐ紐帯は、もはや他のものでなくてはならない。「論理」と「現実」に密着するよりほかに、もはや人々をつなぐ術はなくなったのである。
 少数の夢で導くこともできなければ、少数の腹案で押すこともできなくなった。それが論理の線に正しく乗っていること、それが、リアルな現実の状態に即し副っていることが人々のこころを、一筋のゆるがざる鋼線でもって貫くことのできる唯一この媒介となることを、私たちははじめて学んだのである。
 このことは巨大なる発見であるとともに、巨大なる発展でもあったのである。いわば、集団がはじめて、まともに、自分みずからをめぐる血管の音を、自分の中に聞いたことを意味するのである。
「論理」と「現実」により副うかぎり、私たちに孤独がないことを、私たちははじめて知ったのである。
 大会を終えて、地方に帰る
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