支部図書館三周年に寄せて
中井正一
−−
【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)機能《ファンクション》
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#地付き]*『びぶろす』一九五一年十一月号
−−
三年前、第一回の支部図書館準備会の会合に出席した人々の何人が、この三年目の今日、かかるかたちで三周年を迎えることができると想像しえたであろう。「大陸の法律をやっている私たちには、かかる機構は考えにくいのだ」と、わが館の牧野英一専門調査員がその席上で独語しておられたくらいであるから、大半は、その前途に半信半疑であった。
あわやというような瞬間が、第一回の会合ではあったのであった。私は憮然として丹那トンネルの困難を説いて、もしこれが不可能なら、その不可能の記録を残すべきであると申し上げたのであった。幸いに全省および法務府、最高裁判所の全部の参加を得て、日増しにその発展をみたのであった。
最初の困難は、各省に図書館自体のスペースがないことであった。このことから私たちは図書館概念の変革というスローガンをかかげ、「実体概念より機能概念へ」と合い言葉をつく
次へ
全3ページ中1ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
中井 正一 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング