をおこなうことになった。
 一方、議会の立法資料として、調査立法考査局は、これまで六百件余の奉仕をしており、刊行した調査資料は百余冊にのぼっているが、これには六十人ばかりの人々が携わっており、その中には牧野英一先生のような大学者から新進気鋭の学徒まで含まれている。今秋は法律図書館を開設し、支部の最高裁判所図書館、法務府図書館や東大と並んで一大法律図書館網の完成へ一歩を進めようとしている。
 支部図書館の組織は、アメリカの議会図書館にもまだみられない世界独特の組織であるが、これは各省と司法の各図書館を支部図書館とすることになって、共通のユニオン・カタローグをつくり、三百七十万冊の本をお互いの共通のものとする目的をもっているのである。各省の調査機構ではさかんにこれを利用し、今まで、すでに二十万の人が四十万の本を動かしており、調査件数も二万近くになっている。このユニオン・カタローグは五年計画ではじめ、いま二年目になった。
 国内の全図書館に対しては、二十五ヵ年計画でもって、ユニオン・カタローグを完成させる計画である。これができあがると、日本全体の図書館のカードが国会図書館に集まる。有力大学の
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