設定し普及せしめんとするのである。
各図書館は、このわが図書館協会の良書速報と地方配給機構の棚の本との一致をたしかめると共に、その内容の価値の批判をも、更に協力されたいのである。この配給の対象は、公共図書館、学校図書館、農業組合、各種工場の教養部門、さらに公民館の図書部、更に各官庁の機構の中にその組織網をもたなくてはならない。
新刊本については、国立国会図書館の印刷カードをこれに付することによって、整理の人手をはぶき、国家的統一の第一歩をここに実験しようとしているのである。
事の便利、合理はさることながら、一九五〇年大いなる機械時代の出現にあたって、私達が、いたらずに機械の幻影におびえることによって、機械に敗れたる鉄屑となってしまわないことが、今段階の急務である。
この機械時代を、わが民族の精神の下に組伏せること、これは、手力男が、かの岩壁に向って、たち向った渾身の力を要求するのである。
図書館界は、今、この力を要求されている。
底本:「論理とその実践――組織論から図書館像へ――」てんびん社
1972(昭和47)年11月20日第1刷発行
1976(昭和51)
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