「焚書時代」を脱却
――図書館法成立にあたって
中井正一
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【テキスト中に現れる記号について】
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#地付き]*『朝日新聞』一九五二年一月一日号
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これまで書店と図書館は、あたかも商売仇のような感じをお互いにもっていたときもあった。
それは図書館が個々に孤立して、その数の少ないときはその意味もあった。
今ここに図書館法が通過してみると、五ヵ年後は、一万五百の図書館が、半分の国庫補助を得て、その体系をととのえることとなったのである。
図書協会も、単一の組織体として、緊密な連絡を保って、近代図書館の装いを調えようとしている。
かかる段階では、図書館は、新たなかたちで、購買機関としての一組織体の性格を帯びてきた。
学校図書館の四万五千を加えれば、五万五千の購買ユニットが、この数年間にその合理的構造となりうる未来を待っている。
私は、常に良い本が出たら、それを千冊を売ることができる自信を書店にあたえてやりたいと人々にいっている。
良い本を出すと店がつぶれるという通念が、もし万一、国民に流れたら、それは、小さ
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