より、書く言葉[#「書く言葉」に傍点]、印刷する言葉[#「印刷する言葉」に傍点]、電送する言葉[#「電送する言葉」に傍点]に転ずるにしたがって、それが美の世界に現われる時、常に意匠を変えている。それは電波によって組織づけられたる人間の集団である。或る時は短波長で世界の秘密に指をさし入れ、或る時は電波の速さを通信網の中に競うところの新しい感覚が社会的集団的性格[#「性格」に傍点]を単位としてここに生れはじめる。指令なる言葉が初めてこの領域で新しい装いをもって来る。しかもそれが表現過程の組織としてあることが重大なる機能をもつと思われる。ここではいわゆる技術[#「技術」に傍点]が心身の関係を乗越えて、機械と社会的組織の関係に於てある。ルポルタージュとしてのリアリズムが問題となる時、新聞はその巨大なる外貌を文学の領域に現わすであろう。映画と同じ様にそれが企業的利潤に制約されていることは一つの歴史的必然であって、この議論に於てはさほど苦にするに足りない。利潤函数をぬき去りつつそれを今考察すればいい。その配列の対比性、階調性はフィルムのモンタージュと同じ様に、新しきリアリズムのもつ企画性である。や
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