し穀物がかくの如く低廉であってもそれ以上の穀物及び貨物は消費されない、ということが可能であると仮定すれば、これこそがその価値であろうと私は思うのである。しかし、もはや耕作されないであろう所の土地で穀物の生産に資本を用いておったすべての者は、それを製造財貨の生産に用い得るし、またこれらの製造財貨のわずか一部分が外国穀物と引換えに与えられるに過ぎないであろう――けだしその他にどう仮定しても輸入と物価下落とによって何らの利益も得られないからである――から、吾々は、右の価値の上に、かくの如くにして生産されかつ輸出されはしなかった製造財貨の全量の附加的価値を有つわけであり、従って、穀物を含む国内のすべての貨物の真実の減少は、その貨幣価値においてすら、地代の下落による地主の損失に等しいに過ぎず、他方に享楽の目的物の分量は大いに増加するであろう。
(一五一)粗生生産物の価値の下落の影響を、かくの如くは考えずに、――マルサス氏はその前の承認からすればそう考えなければならなかったはずであるが、――彼はそれをもって、貨幣価格の一〇〇%の騰貴と正確に同一のことと考え、従ってあたかもすべての貨物がその以前の価値の半分に下落するかの如くに論じているのである。
 彼は曰く、『一七九四年に始まり一八一三年に終る二十年間には、一クヲタアについての英国穀物の平均価格は、ほぼ八十三シリングであり、一八一三年に終る十年間は、九十二シリングであり、そしてこの二十年の最後の五年間には、百八シリングであった。この二十年の間に、政府は五億近くの真実資本を借入れ、それに対し、減債基金を別としてほぼ平均して、約五%を支払う契約をした。しかしもし穀物が一クヲタアにつき五十シリングに下落し、そして他の貨物がそれに比例して下落するならば、政府は実際は約五%の利子の代りに、七、八、九%の利子を、そして最後の二億に対しては一〇%の利子を、支払うであろう。
『もしそれが誰によって支払わるべきであるかを考える必要がないならば、公債所有者に対するこの異常な寛大に対しては、私はいかなる反対もなそうとはしないであろう。そしてちょっと考えれば、それは社会の勤勉な階級及び地主によってのみ、すなわちその名目所得が価値の尺度の変動と共に変化すべき人々のすべてによって、支払われ得ることが、わかるであろう。かかる社会部分の名目収入は、最後の五年間の平均と比較すれば、半分だけ減少されるであろう。そしてこの名目上低減せる所得から彼らは同一名目額の租税を支払わなければならないであろう。』(註)
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(註)『一意見の諸基礎』云々、三六頁。
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 第一に私は、全国の総所得の価値ですら、マルサス氏がここで主張している比例では減少するものではないということを、既に説明したと考える。穀物が五〇%だけ下落したから各人の総所得は価値において五〇%だけ低減する、ということにはならぬであろう(註)。彼れの純所得は実際価値において増加し得るであろう。
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(註)マルサス氏は、同書の他の部分において、穀物が三三・三分の一%変動する時には貨物は二五または二〇%変動するものと想像している。
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 第二に、思うに読者は、増加された負担は、もし有るとしても、『地主及び社会の勤労的階級』のもっぱら負担する所とはならないという、私の意見に、同意するであろう。公債所有者は、彼れの支出によって、社会の他の階級と同一の仕方で、公の負担に対するその分担額を、寄与するのである。かくて貨幣が実際より[#「より」に傍点]価値多きものとなるならば、彼はより[#「より」に傍点]大なる価値を受取っても、彼はまたより[#「より」に傍点]大なる価値を租税に支払うこととなり、従って、利子の真実価値に対する全附加は、『地主及び勤労的階級』によって支払われるというのは、真実であり得ないのである。
 しかしながら、マルサス氏の全議論は弱い基礎に樹《た》てられている。すなわちそれは、国の総所得が減少するから、従って純所得もまた同一の比例で減少しなければならぬと仮定している。必要品の真実価値の下落ごとに、労働の労賃は下落し資本の利潤は騰貴する、――換言すれば、一定の年々の価値の中《うち》、労働階級に支払われる部分が少なければ、その資金でこの階級を雇傭する者に支払われる部分は大である、――ということを証明するのが、本書の目的の一つであった。特定製造業において生産される貨物の価値は一、〇〇〇|磅《ポンド》であり、そしてそれが労働者達は八〇〇|磅《ポンド》雇傭者は二〇〇|磅《ポンド》の比で両者の間に分割されると仮定しよう。もしもこの貨物の価値が九〇〇|磅《ポンド》に下落し、そして必要品
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