驍ナあろう、そしてその際には、それはその超過に等しい地代を支払うであろう。しかしながらそれがこの価値以下であるならば、何らの資金も鉱山に用いられないであろう。鉱山に用いられる労働と資本との三分の一と引替に、スペインは、以前と同一の、またはほとんど全く同一の分量の貨物と交換されるべきほどの金を取得するであろう。この国は鉱山から解放された三分の二のものの生産物だけより[#「より」に傍点]富むであろう。もし一〇〇|封度《ポンド》の金の価値が以前に採掘された二五〇|封度《ポンド》のそれに等しいとするならば、スペイン王の収得分たる彼れの七十|封度《ポンド》は、以前の価値における一七五|封度《ポンド》に等しいであろう。国王の租税の大部分は資本のより[#「より」に傍点]良き分配によって取得されるから、その小部分が彼自身の臣民の負担する所となるに過ぎないであろう。
 スペインの計算書は次の如くなるであろう。

    以前の生産額[#「以前の生産額」に傍点]
 金二五〇|封度《ポンド》、その価値(仮定)…………毛織布一〇、〇〇〇ヤアル

    新生産額[#「新生産額」に傍点]
 鉱山を中止せる二人の資本家により生産さる、金一四〇|封度《ポンド》が以前に交換されたと同一の価値。その大いさは…………毛織布五、六〇〇ヤアル
 第一等鉱山を採掘する資本家により生産さる、一対二・二分の一にて価値騰貴せる三十|封度《ポンド》の金、従ってその現在価値は…………毛織布三、〇〇〇ヤアル
 七十|封度《ポンド》の王への租税、同じく一対二・二分の一にて価値騰貴、従ってその現在価値は…………毛織布七、〇〇〇ヤアル
[#地から1字上げ]一五、六〇〇

 王の受取る七、〇〇〇のうち、スペインの臣民は一、四〇〇を納めるに過ぎず、そして五、六〇〇は、解放された資本によって齎された純利得であろう。
 もし租税が、採掘鉱山についての固定額のものではなくして、その生産物の一定割合であるならば、生産量はその結果として直ちに減少されないであろう。もし各鉱山の産額の二分の一、四分の一、または三分の一が租税として徴収されても、それにもかかわらず彼らの鉱山をして以前と同様豊富に産出せしめるのが所有者の利益であろう。しかしもしその分量が減ぜられずして、単にその一部分が所有者から国王に移転されるに過ぎないならば、その価値は騰貴しないであろう。租税は、植民地の人民の負担する所となり、そして何らの利益も得られないであろう。この種の租税は、アダム・スミスが、粗生生産物に対する租税が土地の地代に及ぼすと想像した影響を有つであろう――すなわちそれは全然鉱山の地代の負担する所となるであろう。実にもしこれ以上もう少しく進められるならば、この租税は、啻に全地代を吸収するのみならず、鉱山の採掘者から資本の普通利潤を奪うこととなり、従って彼はその資本を金の生産から引き去るであろう。もしこれ以上、更にもう少し拡大されるならば、更により[#「より」に傍点]良い鉱山の地代は吸収され、そして資本は更にその上引き去られるであろう。かくて分量は不断に減少され、そしてその価値は高められ、そして吾々が指摘したと同一の結果が起るであろう。租税の一部はスペイン植民地の人民によって支払われ、そして他の部分は、交換の媒介物として用いられる用具の力を増大せしめることによって、生産物の新創造となるであろう。
 金に対する租税には二種類あり、その一は流通している金の実際の分量に課せられるものであり、他方は鉱山から年々生産される分量に課せられるものである。両者は金の分量を減じて価値を騰貴せしめる傾向を有っている。しかしそのいずれによってもその分量が減少せしめられるまではその価値は騰貴せしめられないであろう、従ってかかる租税は、供給が減少せしめられるまではしばらくの間貨幣の所有者の負担する所となるであろうが、しかし終局的には、永続的に社会の負担する所となるべき部分は、地代の減少という形で鉱山の所有者によって、及び、金のうち、人類の享楽に寄与する貨物として用いられ流通用具として取除けられることのない部分の、購買者によって、支払われるであろう。
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    第十四章 家屋に対する租税

(七二)金の他にもまた、急速にその量を減少させられ得ない他の貨物がある。従ってそれに対するいかなる租税も、価格の騰貴が需要を減少させるならば、所有者の負担となるであろう。
 家屋に対する租税はこの種のものである。たとえ居住者に課せられても、それはしばしば家賃の減少によって、家主の負担する所となるであろう。土地の生産物は年々消費されかつ再生産され、そして他の多くの貨物も同様である。従ってそれらは急速に需要と同一水準に齎され得ようから、久しくその自然価格を
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