拷チ的価値をも得ず、もし製造業者が、彼が製造する財貨に対して何らの附加的価値をも得ず、またもし両者が労賃により[#「より」に傍点]大なる価値を支払うを余儀なくされるならば、労賃の騰貴と共に利潤は下落しなければならぬということ以上に明瞭に確証され得る事柄があろうか?
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(註)読者は、季節の良否から、または人口の状態に対する突然の影響のために起る需要の増減から、発生する所の、偶然の変動は、吾々はこれを考慮外に置いていることを知っている。吾々は、穀物の自然的な恒常的な価格について論じているのであって、その偶然的な動揺的な価格について論じているのではない。
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 かくて農業者は、その地主の地代――それは常に生産物の価格によって左右され、そして常に消費者の負担に帰するものであるが――のいかなる部分をも支払いはしないけれども、しかも地代を低く保つことに、またはむしろ生産物の自然価格を低く保つことに、極めて明かな利害を有っているものである。粗生生産物の、及び粗生生産物が一構成部分として入り込んでいる物の、消費者として、彼は、あらゆる他の消費者と共通に価格を低く保つことに利害を有つであろう。しかし彼は、穀物の高い価格は労賃に影響を及ぼすが故に、それに最も重大な関係を有っているのである。穀価のあらゆる騰貴と共に、彼は、七二〇|磅《ポンド》という等しくかつ変動しない額から、附加的額を労賃として、彼が常に用いるものと仮定されている十名の人間に支払わねばならぬであろう。吾々は労賃を論ずる際に、それは常に粗生生産物の価格の騰貴と共に騰貴することを見た。一一三頁において、計算のために仮定された基礎によれば、もし小麦が一クヲタアにつき四|磅《ポンド》である時に、労賃が一年につき二四|磅《ポンド》であるならば、次のことがわかるであろう。
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 小麦が{四|磅《ポンド》四シリング八ペンス/四|磅《ポンド》一〇シリング〇ペンス/四|磅《ポンド》一六シリング〇ペンス/五|磅《ポンド》二シリング一〇ペンス}の時には、労賃は{二四|磅《ポンド》一四シリング〇ペンス/二五|磅《ポンド》一〇シリング〇ペンス/二六|磅《ポンド》八シリング〇ペンス/二七|磅《ポンド》八シリング六ペンス}であろう。[#この行「{}」に挟まれ「/」で区
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