一定の資格を設け、党の内外を問ふことなく、博く適当の学識経験を備ふる人才を収めざる可からず。党員たるの故を以て地位を与ふるに能否を論ぜざる如きは断じて戒めざる可からず。地方若くは団体利害の問題に至りては、亦一に公益を以て準と為し、緩急を按じて之れが施設を決せざる可からず。或は郷党の情実に泥み、或は当業の請託を受け、与ふるに党援を以てするが如きは断じて不可なりと。其の意専ら猟官収賄の行動を排斥するに存し、旧自由党の如き最も中心忸怩たらざる可からず。而も其の総務委員の陳弁を見るに、反つて過を蔽ひ非を飾りて侯の訓戒を無視せむとするは又何の醜ぞ。其の官吏任用に対しては、資格限定の程度と方法は別問題なりと設辞して、尚ほ猟官の余地を後日に留め其の収賄行動に対しては、此等弊竇は我党の深く戒規したる所にして、今更之を一洗するの必要を感ぜず。之を以て暗に我党を指すの言とするに至りては、己れを卑うして自ら疑ふの嫌あるを免かれずといひ、以て毫も自ら反省囘悟するの赤心を示さゞるは、伊藤侯亦恐らくは其の厚顔に驚きたる可きを信ぜむとす。最後に政党の規律を説て曰く、政党にして国民の指導たらむと欲せば、先づ自ら戒飭し
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