、其放胆不諱にして人を人とも思はず、争気猛烈にして常に戦を挑むの風ある如き、即ち其一なり※[#白ゴマ、1−3−29]彼れは此特質あるが為めに、或は平地に風波を起し、或は故らに敵を作るの弊なきに非ずと雖も、其党人として顕著の位地を占るに至りたるもの、亦此特質あるに由らずむばあらじ。
彼れの政治的閲歴は、半ば争闘の事実を以て作れり※[#白ゴマ、1−3−29]彼れの争闘を開始するや、其名義の撰択に注意せずして、唯だ利害若くは感情の衝突に出づるもの多く、而も其作戦計画の単純にして露骨なる、動もすれば壮士の私闘に類するの嫌なきに非ず、是れ彼れの為に甚だ惜む可しと為す、試に其一二を言はむか。
曾て大隈伯等の始めて改進党を組織するや、其主義政綱は大体に於て自由党と其帰着を同うせり※[#白ゴマ、1−3−29]故に自由党よりいへば、たとひ改進党を政友と認めざるまでも、必らずしも之れを正面の政敵とするの必要なかりしに似たり※[#白ゴマ、1−3−29]然るに三菱問題起るに当て、改進党が冷然之れを傍観したるの故を以て、直に偽党撲滅の題目の下に改進党を攻撃したるは、彼れ及び古沢滋の二人実に其張本人たりき、顧
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