、殆ど滑稽突梯に陥ると雖も、彼に対する想像の奇なるは其不人望の方面に於ても亦同一なり。見よ彼れが将に帰朝せむとするや、或は曰く彼れの帰朝は政界の一大恐慌なり、其進退は天下の大問題なりと※[#白ゴマ、1−3−29]或は曰く、彼れは内閣を強迫して帰朝せり、内閣は彼れを覊束するの威力なきなりと、其状恰も敵国来襲を報ずる警戒の如し。既にして彼れの帰朝するや、彼れの言動は極めて沈静なり※[#白ゴマ、1−3−29]彼れ曰く余にして若し求むる所あれば、何時にても入閣するを得可し※[#白ゴマ、1−3−29]余は唯だ求むる所なきのみ※[#白ゴマ、1−3−29]余は一憲政党員として此際に努力せむと欲するのみと※[#白ゴマ、1−3−29]此に於て乎彼れを崇拝するもの、彼れを信用せざるもの、共に彼れを暗黒の中に模索し、彼は終に政界の一未知数と為れり※[#白ゴマ、1−3−29]請ふ吾人をして先づ彼れの個人的資質を観察せしめよ。然らば彼れに対する設題は自ら解答せらるゝを得む。

      彼は天性の党人なり
 彼れは天性の党人なり※[#白ゴマ、1−3−29]何となれば彼れは党人に必要なる二個の特質を有すればなり
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