華族の改革者として最も力を此に致たしつゝあるは、亦世間の均しく認むる所なり※[#白ゴマ、1−3−29]彼れが曾て華族の腐敗を国家学会に痛論するや、一部の華族は彼れを咎めて華族を侮辱したりと為し、太甚しきは彼れを以て華族中の壮士と為すものありき※[#白ゴマ、1−3−29]然り、其言稍々矯激に過ぐるものなきに非ざりしと雖も、華族の腐敗は天下の公認にして、独り彼れ一人の私言に非ず※[#白ゴマ、1−3−29]彼れ豈好むで同族の醜事を暴露するものならむや※[#白ゴマ、1−3−29]彼れ以為らく、華族の腐敗今日の如くむば、啻に皇室の藩屏たる能はざるのみならず、延て或は皇室の威厳を傷け奉るの虞なきを得ず※[#白ゴマ、1−3−29]是れ華族改革の到底已む可からざる所以なりと※[#白ゴマ、1−3−29]苟も貴族院に於ける華族の行動を目撃するものは、誰れか窃に華族の前途を憂へざるものあらむや※[#白ゴマ、1−3−29]唯だ時の内閣に忠勤を励むを以て華族の本分なりと誤想し、俗吏の頤使を受けて、犬馬の労を執るものあるに至て、華族の体面幾ど地に墜ちたりと謂ふ可し※[#白ゴマ、1−3−29]此くの如き華族にして安
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