自任に高き人
松方内閣組織せらるゝに及び、人あり彼れを誘ふに文部大臣の椅子を以てす※[#白ゴマ、1−3−29]彼れ冷然之れを拒絶して敢て応ぜず※[#白ゴマ、1−3−29]客あり彼れに逢ふて其理由を問ふ※[#白ゴマ、1−3−29]彼れ曰く、余は学習院長として今方に其改革に従事しつゝあり※[#白ゴマ、1−3−29]華族教育は余に於て最大の職任にして、且つ最重の義務なり※[#白ゴマ、1−3−29]何ぞ此れを棄てゝ一伴食大臣の地位を望まむやと※[#白ゴマ、1−3−29]蓋し彼れは何時なりとも内閣大臣たるを得るの自信を有する者なり※[#白ゴマ、1−3−29]故に彼れは他の一般野心家の如く、必らずしも焦燥煩悶して大臣たらむとするものに非ず※[#白ゴマ、1−3−29]必らずしも大臣の地位を最上の名誉と為すものに非ず※[#白ゴマ、1−3−29]然れども彼れは、華族が皇室の藩屏たるを念ひ、自ら華族の矜式たらむと任ずるや太だ高し※[#白ゴマ、1−3−29]其気格の雄大なる其品性の清高なる、固より華族の代表者として内外の信用を博するに足るは言ふを俟たざるのみならず※[#白ゴマ、1−3−29]彼れは日本
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