治めず、鄙吝の念或は之れと共に生ずるを恐るればなり※[#白ゴマ、1−3−29]是れ実に当世罕に見る所にして、彼れが内、政友に信任せられ外、敵党の敬憚を受くる所以のものは此れが為めなり※[#白ゴマ、1−3−29]夫れ才は得易らず、徳も亦豈得易からむや※[#白ゴマ、1−3−29]况むや黄金の魔力横行して、敗徳の政治家頻りに輩出するの今日に於てをや※[#白ゴマ、1−3−29]今日の所謂政治家は、ワルポールの所謂市価を有する動物に近し※[#白ゴマ、1−3−29]故に其為す所人身売買に異らざるものあるも、曾て自ら之れを耻とせざるのみならず※[#白ゴマ、1−3−29]又人に向ひて之を説くを意とせざるに至る※[#白ゴマ、1−3−29]此時に当り、金銭を軽んずること彼れが如く、体面を重んずること彼れが如き人物は、一党の領袖として人意を強うし、国民の代表者としては正義を担保するに足る※[#白ゴマ、1−3−29]是れ余が深く彼れを多とする所以なり※[#白ゴマ、1−3−29]余之れを聞く、西郷南洲翁の信望一代を蓋ひたるは、必ずしも翁が伎倆の大なるが為に非ずして、唯だ金銭を軽むずるの一美徳あるに由れり※[#白
前へ 次へ
全350ページ中274ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
鳥谷部 春汀 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング