に伯は早稲田に閑居して、唯だ客と政談を試むるを楽みとし、復た自ら出でて事を政界に見ることなし、夫れ戦場の外に居て大将軍の事を行はむとす、是れ世間決して有る可からざる道理なり※[#白ゴマ、1−3−29]進歩党の実力首領は、他日必らず議院より出現せむ※[#白ゴマ、1−3−29]復た何んぞ大隈伯の力を借るを要せむやと※[#白ゴマ、1−3−29]彼れの自ら任ずるもの洵に斯くの如し、是を以て議院の内外に於ける彼れの言動は、一に進歩党の利害得失より打算したるものを準と為し、則ち進歩党の為めに尽す所以のもの、亦随つて熱心到らざるなきを見る※[#白ゴマ、1−3−29]其今日あるを致すは豈夫れ偶然ならむや※[#白ゴマ、1−3−29]是れ彼れが成功の第三原因とす。
然りと雖も、彼れが進歩党中最も有力の位地を得たる所以のものは、唯だ伎倆と勉強との力に是れ由るに非ずして別に之れが原因たるものあり、品性高潔にして体面を重んじ、清澹の生活を楽みて鄙劣の念なき即ち是れなり※[#白ゴマ、1−3−29]彼れ常に武士道を説く、何となれば武士は最も体面を重むずればなり※[#白ゴマ、1−3−29]彼れ又金銭を軽んじて生産を
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