き、彼れは渡辺侠禅と、一銭一厘の問答を試みて侠禅を翻弄せり※[#白ゴマ、1−3−29]一銭一厘の問答、何ぞ其れ滑稽なる※[#白ゴマ、1−3−29]而も学堂は極めて厳格なる声色を以て、此奇劇を演じたりき※[#白ゴマ、1−3−29]大抵学堂の討論は、詈罵笑※[#「言+墟のつくり」、第4水準2−88−74]を交へざるものなしと雖も、彼れは曾て笑ひたることなく、又怒りたることなく※[#白ゴマ、1−3−29]飽くまで冷々然たり、飽くまで従容自若たり※[#白ゴマ、1−3−29]斯くの如き討論家は、往々大激論大争議の壇上に於て顕著なる成功を博し得ること多し。
 彼れが成功の原因は、更に焉れより大なるものあり※[#白ゴマ、1−3−29]何ぞや、彼れが党人として極めて忠実なる党人たるに在り※[#白ゴマ、1−3−29]彼れ曾て大隈伯を論じて曰く、人或は進歩党の一挙一動を以て悉く大隈伯の指揮に出づるが如くに想像するものあり※[#白ゴマ、1−3−29]是れ何の謬見ぞや※[#白ゴマ、1−3−29]凡そ一政党の進退を指揮するの首領は、常に党員と実際の運動を倶にするものならざる可らず※[#白ゴマ、1−3−29]然る
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