の為に試験せられつゝあるなり、此の試験にして自由党の予期したる如き結果を見ざれば、自由党は如何なる手段を使用しても其当初の目的を達せずむば休止せざる可し、而して閣下は今や一方に於ては官属主義の属僚に擁せられ、一方に於ては政党内閣を目的とせる自由党に援助せられ、恰も南面すれば北狄怨み、北面すれば南蛮怨むの境遇に在り、閣下の現位地は亦頗る不思議なりと謂ふべし、其不思議なるは尚ほ可なり、是れ疑もなき閣下の災難なり、閣下にして苟くも進退其の機宜を誤まれば遂に属僚にも離畔せられ、自由党にも反対せられて、政界の立往生を為すの外なきに至らむ、亦閣下の宜しく熟慮すべき場合に非ずや。
閣下漫に政界の前途を憂ふる勿れ、国家は何時までも老骨を煩はすの必要なく、後進の人物にして国家の大事に耐ゆるもの亦少なきに非ず、閣下の内閣にしてたとひ直に更迭すと雖も、之れに代るの内閣を組織するは必らずしも難事に非ず、况むや天下既に閣下の内閣に倦みて、人心変を思ふの今日に於てをや、且つ国家方に鞏固なる内閣を得て内外の政務を刷新せむことを望むに際して、微弱にして統一なき閣下の内閣をして尚ほ今後に存立せしめば、政界益々沈滞して
前へ
次へ
全350ページ中243ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
鳥谷部 春汀 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング