の話たるに過ぎず、夫れ国家を経綸する、消極なる可くして消極主義に拠り、積極なる可くして積極主義に拠り、一に唯だ国家の利害を標準として経綸の策を立つ、斯くの如きは是れ政治の要道に非ずや、我輩の国家に必要とする所は必ずしも消極主義の経綸に在らず、必らずしも積極主義の経綸に在らずして、国民多数の信用を基礎とせる政党内閣の建設に在り、到底此れに非ずむば以て内治外交の政策を確立すること能はざればなり、顧ふに閣下の内閣は、既に二会期の議会に於て共に衆議院の多数を得たりしが故に表面より見れば、頗る鞏固なる内閣に似たりと雖も、顧みて其の施設したる所を見れば、内治外交一切の政策唯だ姑息と※[#「糸+彌」、68−下−10]縫とを勉めて毫も国民を満足せしめざること、我輩の篇を累ねて叙述したる所の如く、而して閣下の内閣が最大成功として誇る所は、実に人心を腐敗せしめ公徳を破壊せしめたる議院政略是れのみ、蓋し閣下の内閣は少数微力なる帝国党及び時代の精神を領解せざる頑愚の属僚を味方と為すの外には、真に主義政見を同うしたる党与を議会に有せず、夫の自由党との提携の如きは、原と相互の詐術に依りて成りたるものなるを以て、其
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