るに由れり※[#白ゴマ、1−3−29]政党組織の策行はれざりしが為めには非らじ。
夫れ藩閥は三十年間我政界の主動力たり※[#白ゴマ、1−3−29]殆ど専制的性質を有せる一大勢力たり※[#白ゴマ、1−3−29]此勢力を利用するものは順境に立ち、之れに反対するものは、皆逆境に陥る※[#白ゴマ、1−3−29]是れ侯が従来藩閥と結合して、久しく国民と争ひたる所以なり※[#白ゴマ、1−3−29]されど侯は決して藩閥の代表者に非ず※[#白ゴマ、1−3−29]侯の藩閥を好まざるは、猶ほ大隈板垣両伯の藩閥を好まざるが如し※[#白ゴマ、1−3−29]唯だ両伯は藩閥を好まざると共に、余りに政党を好み、侯は政党にも亦甚だ冷淡なるを異とするのみ※[#白ゴマ、1−3−29]顧ふに、侯が三十年間に於ける政治的伝記は、侯が如何なる塲合にも善く自家の拠る可き勢力を発見して、善く之れを利用したるの事実を説明すと雖も、此れと共に其思想の藩閥と相容れずして、動もすれば之れが為めに苦められたるの事実も、亦其伝記中に認識するを得可し※[#白ゴマ、1−3−29]故に侯は外に対して藩閥を利用しつゝある間に、内に在ては絶えず其勢力
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