傍点]、韓國の皇帝は實に無限の信任を侯に寄せたるものゝ如し[#「韓國の皇帝は實に無限の信任を侯に寄せたるものゝ如し」に白丸傍点]。
 斯くて日本は韓國の保護者となれり。伊藤侯は韓廷の指揮者となれり。統監府は半島政治の中心となれり。侯は何時なりとも皇帝に謁見し得るの特權を有し、又何時なりとも各大臣を統監府に召集して内閣會議を開くの威勢を有せり。侯は命に背くものあれば大臣と雖も、之れが免黜を奏請し得べく、場合に依りては内閣の更迭をも謀るを得べく、兵力をも使用するを得べし。然れども是れと同時に[#「然れども是れと同時に」に白丸傍点]、侯は韓國上下の誤解を招くを恐れて[#「侯は韓國上下の誤解を招くを恐れて」に白丸傍点]、成る可く急激なる改革を避け[#「成る可く急激なる改革を避け」に白丸傍点]、温和漸進の方針を執り[#「温和漸進の方針を執り」に白丸傍点]、一面に於ては政府の現状を維持して政治的動搖の發生を防ぎ[#「一面に於ては政府の現状を維持して政治的動搖の發生を防ぎ」に白丸傍点]、一面に於ては恩威兼用の施設に依りて信義を八道に光被せしめんとせり[#「一面に於ては恩威兼用の施設に依りて信義を八道
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