9]此を以て世間曾て彼れの學問あるを信ずるもの甚だ少なくして、寧ろ彼れを粗豪の一木強漢と思ふもの多かりき。
 顧ふに彼れが見掛によらぬ學者たるは、今や漸く多數の認識するの所となれりと雖も、其言動の毫も學者らしからざるは他なし、彼れは主我的意思を以て總べての問題を解釋し[#「彼れは主我的意思を以て總べての問題を解釋し」に白丸傍点]、我れに利なれば理窟を言ひ[#「我れに利なれば理窟を言ひ」に白丸傍点]、我れに不利なれば無理をも言ふの傾向あればなり[#「我れに不利なれば無理をも言ふの傾向あればなり」に白丸傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]其放膽不諱[#「其放膽不諱」に白丸傍点]、剛愎不遜の人に過ぐる所以のものは[#「剛愎不遜の人に過ぐる所以のものは」に白丸傍点]、亦豈主我的意思の最も發達したるが爲に非ずや[#「亦豈主我的意思の最も發達したるが爲に非ずや」に白丸傍点]、故に室内の人物としては[#「故に室内の人物としては」に二重丸傍点]、彼は眞理を研究するの讀書家たりと雖も[#「彼は眞理を研究するの讀書家たりと雖も」に二重丸傍点]、彼れの戸外に於ける言動は[#「彼れの戸外に於ける言動は」に二重丸
前へ 次へ
全497ページ中462ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
鳥谷部 春汀 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング