の斷じて與みせざる所なりき」に二重丸傍点]。
公曾て『慨世私言』を著はして、内閣と政黨との關係を詳論したることあり。其の黨人を戒むるの言に曰く、在野政黨員たるものも、徒らに政府乘取の紛爭を愼まざるべからず。何となれば立憲政治の時運に到達したる國家に於ては、急躁焦慮する所なきも早晩政黨内閣の起るべきは其の數なり。而も今日の如く、各黨各派孰れも確乎たる一大主義を有するなく、情實に合し、情實に離れ、小黨分裂の時に於て、政府を乘取らむとするも豈得べけむや。假令幸にして乘取り得たるとするも、其れ能く一黨一派の内閣にして、久しく其の位地を支ふるを得べけむや。朝たに新内閣成りて夕べに僵る[#「朝たに新内閣成りて夕べに僵る」に白三角傍点]、國家の爲に何の益ぞ[#「國家の爲に何の益ぞ」に白三角傍点]。國民の爲に何の利ぞ[#「國民の爲に何の利ぞ」に白三角傍点]。寧ろ國家の大勢定りて[#「寧ろ國家の大勢定りて」に白三角傍点]、政黨の爭ふ所主義の實行に一定し[#「政黨の爭ふ所主義の實行に一定し」に白三角傍点]、一大政黨を以て一大政黨と爭ふの時期を待つの國家國民の利たるに如かずと[#「一大政黨を以て一大政黨と
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