らず、閣下乃ち自由黨をして單に政略的關係若くは利益の下に永く盲從せしめんと欲する乎、我輩は斷じて其の目的の空想に屬するを信ぜむとす、閣下願くは我輩をして閣下の未來を説かしめよ。
※[#始め二重括弧、1−2−54]十八※[#終わり二重括弧、1−2−55]
山縣相公閣下、今や我輩は閣下の未來を指示するに當て、先づ閣下の内閣が如何なる現状の下に存在するかを觀察せざる可からず、顧ふに閣下の内閣は、議會開設以後の内閣中に於て、最も平和らしき、最も鞏固らしき状態を保てる内閣なり、議會は既に二會期を經過したれども、遂に一たびも解散の危機に際したることなく、内閣改造の説屡々起りたれども其の閣員には亦一人の交迭したるものなし、是れ前代の内閣に在て曾て觀ざるの現象にして、殆ど閣下の獨占せる慶事なりと謂はざる可からず、さりながら閣下若し我輩に直言を許さば、我輩は閣下の内閣を稱して[#「我輩は閣下の内閣を稱して」に傍点]、僅かに外援の支持に頼りて存在せる大厦なりといはむと欲す[#「僅かに外援の支持に頼りて存在せる大厦なりといはむと欲す」に傍点]、而も其の外援すら今や漸く去らむとするを見るに於て
前へ
次へ
全497ページ中304ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
鳥谷部 春汀 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング