於て全くアリストクラチツクなり」に白丸傍点]。彼は凡俗を好まず[#「彼は凡俗を好まず」に白丸傍点]、又凡俗の好む所を好むこと能はず[#「又凡俗の好む所を好むこと能はず」に白丸傍点]。彼は凡俗と天才との間には踰ゆべからざるの鴻溝あるを信じ[#「彼は凡俗と天才との間には踰ゆべからざるの鴻溝あるを信じ」に白丸傍点]、滔々たる凡俗は[#「滔々たる凡俗は」に白丸傍点]、到底天才者の頭腦を領解する能はずと思惟せり[#「到底天才者の頭腦を領解する能はずと思惟せり」に白丸傍点]。若し大隈伯を以て思想界のトルストイとせば[#「若し大隈伯を以て思想界のトルストイとせば」に白丸傍点]、陸奧伯は稍々ニイチエに類似すと謂ふべし[#「陸奧伯は稍々ニイチエに類似すと謂ふべし」に白丸傍点]。ニイチエの奇崛獨聳は嶄然として時代の地平線を超越したるものありと雖も、終にトルストイの感化の偉大なるに及ばざるなり。陸奧伯の大隈伯に於けるは、猶ほニイチエのトルストイに於ける如きのみ。(四十年十一月)

   伯爵 板垣退助

     板垣退助

 世に傳ふ、板垣伯は兩面ある人物なり※[#白ゴマ、1−3−29]外は粗放磊落なるに
前へ 次へ
全497ページ中193ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
鳥谷部 春汀 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング