治組織と爲し、官吏登庸法を制定して、選叙を嚴にしたる如き皆主として藩閥を控制するの意より出でずむんばあらじ[#「皆主として藩閥を控制するの意より出でずむんばあらじ」に白丸傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]世間或は侯が總理大臣を以て宮内大臣を兼攝したる當時の位地を評して曰く、是れ侯が信用を宮中に固めて、自家の權勢を保全するの秘策なりと※[#白ゴマ、1−3−29]夫れ然り然りと雖も[#「夫れ然り然りと雖も」に白丸傍点]、此秘策は國民に對して壓制政治を行ふの準備に非ずして[#「此秘策は國民に對して壓制政治を行ふの準備に非ずして」に白丸傍点]、亦實に藩閥を控制するの意に外ならざるが如し[#「亦實に藩閥を控制するの意に外ならざるが如し」に白丸傍点]※[#白ゴマ、1−3−29]之れを要するに侯の施設は[#「之れを要するに侯の施設は」に傍点]、大抵藩閥と利害を異にするものたるに於て[#「大抵藩閥と利害を異にするものたるに於て」に傍点]、藩閥者流は漸く侯に慊焉たらざるを得ざるに至り[#「藩閥者流は漸く侯に慊焉たらざるを得ざるに至り」に傍点]、其結果として所謂る武斷派なるもの起り[#「其結果として所謂る
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