能はずして[#「到底其の効果を收むる能はずして」に白丸傍点]、却つて帝國の發達と繁榮とを阻害するに至らむ[#「却つて帝國の發達と繁榮とを阻害するに至らむ」に白丸傍点]。公は理想よりも歴史に重きを置き、國性と兩立し得る限りに於て、歐洲立憲制の組織を斟酌採擇せむとし、其の聖鑒を蒙りて任に憲法立案の事に膺るや、一面に於ては歐洲各國の憲法を調査して、二年の歳月を海外に費し、一面に於ては自ら專門の國學者を相手とし、心血を竭くして古今の沿革を講究したり。當時憲法を私議するもの、大抵其の範を民政主義の立憲制に採らむとするに傾き、之れに反して民政主義を悦ばざるものは、動もすれば極端なる神權政治を主張して、立憲政治を否認するの論結に歸著し、共に皇謨の大精神と相距る甚だ遠かりき。而も公は政治家たるの識見と立法家たるの才智とを兼備するの資を以て[#「而も公は政治家たるの識見と立法家たるの才智とを兼備するの資を以て」に白丸傍点]、純然たる君主的立憲制の日本の國性に適合するを確信し[#「純然たる君主的立憲制の日本の國性に適合するを確信し」に白丸傍点]、且つ之れを確立するに於て周到なる意匠と愼重なる考慮を凝らし[
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