に中央放送局へ中継《なかつぎ》される。娑婆ではこれを、警察庁|公示《こうじ》事項《じこう》のニュースとしてC子の姿を放送する。それは、一ツには冥土への安着を報せ、二ツには娑婆に債権者でもあれば今の内に申し出て、何とか解決方法をとらせるためである……」
「一寸待ったAさん。君の話は面白いが、何だか落語か法螺大王《ほらだいおう》の話をきいているような気がする。Aさん、怒っちゃいけないよ――君は本当に正気《しょうき》で言ってるのかい。」
「度し難いBさん。これは皆、専門の学術から割り出したもので、根拠のないことなど、僕は喋《しゃべ》らない。唯、くだけて話すから、落語のように聴こえるのだ。」
「じゃ不審の点を質問するがネ。何故この世とあの世とがラジオで連絡ができるのだい。」
「早い話が『人間は死すとも霊魂は不滅である』という。これが今から十年経たないうちに物理的に証明されるのだ。霊魂はラジオ、即ち電波を発射する。霊魂がラジオを出すんじゃないか、とは今日でもある一部の学者が考えている。しかし電波ならば其の一番大切な性質であるところの波長が何メートルだか判っていないのだ。これが今から十年以内に発見
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