科学時潮
海野十三
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)架空線《かくうせん》はない
|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)一時間十五|哩《マイル》の速力
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
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地下鉄道の開通
上野、浅草間の地下鉄道が出来た。入って見ると随分明るくて温い。電車の車体は黄色に塗られ、架空線《かくうせん》はないから随《したが》ってポールやパンタグラフは無い。皆レールのところから電気を取っている。一時間十五|哩《マイル》の速力であるから上野、浅草間は五分位で連絡が出来る。
地下鉄道の出来たことは、いろいろな意味に於て愉快である。高速度であるため市民がセーブする時間は大したものであろうし、又東京市が飛行機の襲撃を受けたときは、市民が爆弾を避けるには兎《と》も角《かく》も都合のよいところだし、それから又、外国の探偵小説|並《なみ》に、地下鉄を取扱った面白い創作探偵小説が諸作家によって生れて来ることであろうし、結構なことである。
飯粒と弁当箱
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