椀に盛つてゐる。面長な色の白い女である。唇ばかり毒々しく塗り立ててゐる。それが何だか赤児でも食つたやうに見えた。
男は身ぶるひをして、そのまま立ち去つた。
女からは歌を添へなどした消息が度々きたが、男はもはやふつつり通はなくなつた。
これは古い物語である。――
底本:「日本の名随筆 別巻39 化粧」作品社
1994(平成6)年4月25日第1刷発行
底本の親本:「神西清全集 第三巻」文治堂書店
1961(昭和36)年10月発行
入力:門田裕志
校正:noriko saito
2007年12月12日作成
青空文庫作成ファイル:
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