てではなくて、聯隊の軍曹として出陣するようにな。まあ立派にお前の勇気をふるって見せるがいい。この上はもうお前はわしの家来ではなくて、あっぱれ帝《みかど》の臣下なのだぞ。」
「だからね」と、縞服の婆さんは言うのでした、――「今じゃあの人は安楽になって、びくびくするものは何一つないのさ。勝手にならないことは只一つ、戦死ということだけで、ごぜん様の御意なんかもうありはしないのさ。」
わたしも成程その通りだと思って、それから三年の間というもの、毎晩毎晩アルカージイ・イリイーチが戦さをしている有様を、ただそれだけを夢に見つづけました。
そうして三年の年月は流れましたが、そのあいだじゅうわたしは神様の御加護で、二度とふたたび芝居へは戻らずに済み、引続きその仔牛小屋のなかで、ドロシーダ小母さんの組の者として暮らしたのです。それは実にいい暮らしでした。わたしはこの小母さんを気の毒に思って、夜更けなど小母さんがあんまり酔っぱらっていないような時には、その思い出話をきくのが好きでしたからね。小母さんは未だに、先代の伯爵が斬り殺された時のことを覚えていました。発頭人は従僕|頭《がしら》でしたが、――とに
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