り強《つよ》き勢力《せいりよく》を以《もつ》て、實際《じつさい》に反應《はんおう》するのです。貴方《あなた》は醫者《いしや》でおゐでて、如何《どう》して那麼譯《こんなわけ》がお解《わか》りにならんです。苦《くるしみ》を輕《かろ》んずるとか、何《なん》にでも滿足《まんぞく》してゐるとか、甚麼事《どんなこと》にも驚《おどろ》かんと云《い》ふやうになるのには、那《あれ》です、那云《あゝい》ふ状態《ざま》になつて了《しま》はんければ。』と、イワン、デミトリチは隣《となり》の油切《あぶらぎ》つた彼《か》の動物《どうぶつ》を差《さ》してさう云《い》ふた。『或《あるひ》は又《また》苦痛《くつう》を以《もつ》て自分《じぶん》を鍛錬《たんれん》して、其《そ》れに對《たい》しての感覺《かんかく》を恰《まる》で失《うしな》つて了《しま》ふ、言《ことば》を換《か》へて言《い》へば、生活《せいくわつ》を止《や》めて了《しま》ふやうなことに至《いた》らしめなければならぬのです。私《わたくし》は無論《むろん》哲人《てつじん》でも、哲學者《てつがくしや》でも無《な》いのですから。』と、更《さら》に激《げき》して。『で
前へ
次へ
全197ページ中113ページ目
小説の先頭へ
文字数選び直し
チェーホフ アントン の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ
登録
ご利用方法
ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング