る。
アーニャ わたし、行って寝るわ。おやすみなさい、ママ。(母にキスする)
ラネーフスカヤ わたしの可愛い子。(娘の手にキスする)おまえ、うちに帰って嬉しいだろうね? わたしは、まだほんとのような気がしないの。
アーニャ おやすみなさい、伯父さま。
ガーエフ (彼女の顔と両手にキスする)ゆっくりおやすみ。なんてお前は、お母さん似なんだろう! (妹に)ねえリューバ([#ここから割り注]訳注 ラネーフスカヤ夫人の名リュボーフィの愛称[#ここで割り注終わり])お前もこの年ごろには、この子そっくりだったよ。
[#ここから2字下げ]
アーニャは片手をロパーヒンとピーシチクに与え、自分の部屋へ引きとってドアをしめる。
[#ここで字下げ終わり]
[#ここから改行天付き、折り返して1字下げ]
ラネーフスカヤ あの子すっかりくたくたなのね。
ピーシチク 道中がさぞ長かったでしょうからな。
ワーリャ (ロパーヒンとピーシチクに)どうなすって、皆さん? やがて三時ですよ、そろそろ紳士の体面をお考えになったらどうでしょう。
ラネーフスカヤ (笑う)お前、相変らずなのね、ワーリャ。(彼女を引きよせてキスす
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