べん+(鼕−鼓)」、第3水準1−14−17]錚君は菜食主義者だといふことがわかり、私は給仕頭に、なんとかならぬかと相談する。卵はどうか。卵もいかぬ。ソースも肉汁がはひつてゐては困る。サラダならよささうだが、マイヨネーズは卵の黄味を使ふから駄目だ。やつとバタだけはよろしいとあつて、ハウレンサウのバタいためを皿へ山盛り持つて来させる。給仕頭はヴエジエタリアンといふ言葉を知らなかつたのである。
日本人と支那人ではどういふところが違ふかといふ話になる。
第一に、ちよつと見たところでは、日本人だか支那人だかわからない顔があると、誰かが云ひ出す。さう云へば、さつき、関瑾良氏がはひつて来た時、私は、日本人だとばかり思つてゐた。名刺を出されても、まだ、関《せき》なにがしと読んで、日本人側が一人ふえたものと早合点をし、そのつもりで話をしかけたくらゐである。柯氏も亦、よく日本人と間違へられるといふ。なるほど、さう云へば支那人には珍しいずんぐり型である。そして、この二人とも、不思議なことには、日本に長く住んで、日本を識ること最も詳しいのである。
柯氏曰く、
「日本人と交際をして一番われわれが苦痛に感じ
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