、往き悩むわれらが自動車のはしたなさを思はせるばかりである。
こゝは女学校と聞いても、それは昔の大官の住居にも似て、門は厳かに閉つてゐる。居酒屋風の燻けた店の前に、長い煙管を銜へた男が二人立つてゐる。千年前からそこにさうしてゐたかのやうである。
賑かな大通りへ出た。道傍で物を売る商人は支那の名物であらう。古物商を一二軒のぞいてみた。掘出し物などしようといふ肚はないが、安い土産でもあればと思つてである。これはと思ふものがまるで見当らぬ。蒙古鐙の貧弱なのが手にはひつた。
下手ものなら天橋《テンチヤウ》に限ると聞いてゐたので、O氏に案内を頼む。城門に近い、云はゞ場末の古物市場である。
このガラクタの堆積はまづ見ものである。毛皮から勝手道具まではいゝが、その先は、空壜の数々、気をつければ古新聞の束でさへおいてないとは保証できぬ。大通りを挟んで蜿蜒数丁に亙るこの光景は、巴里蚤の市の比ではない。私は疲れた。一軒で絨毯をひろげて見たら、次ぎ次ぎの店から、「いゝのがある。はひつてみろ」と呼びかけられるのには閉口した。
名刺を作りたいといふと、O氏は勧工場の様に色々な店の並んだ建物のなかへ連れ
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