ものは、歴史的、地理的、風俗的に、支那の他の如何なる部分とも区別さるべき特性があることは云ふまでもありません。従つて、政治、経済、文化の諸部門に於て、その特性を生かすことを先づ考へねばならず、それがためには従来の対支観念を清算して……。
――役人のやることは一から十まで駄目、民衆と民衆との結びつきを土台として、将来の北支文化なるものは建設されなくてはならんと思ふのですが、それがためには、……云々。
内地ばかりでなく、こゝでも、かれこれと云はれてゐるのを、私は当然なことゝ考へた。
みんなが真面目に日本と支那のことを考へてゐてくれるなら、私ごときが、なにも心配することはないといふ結論に達し、なまじ好い加減な予想など植ゑつけられないうちに、遠くから大勢の定まるのを見てゐた方がわれわれには面白いかも知れぬと、私は、ひとまづこの政治的雰囲気から逃れ出た。
O氏は、私の公用(?)が済むのを、いつもほつとしたやうに迎へてくれる。
「さあ、これからどこと、どこを廻つて……」
といふ風に、なかなか時間を無駄にしない。
「えゝ、えゝ、あとは君の連れて行つて下さるところへ参ります」
と、私は、心
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