緒にして、話し合つたらどうかと思ひますね。これがまたこれからの日本の文学といふものゝために大事なんぢやないかと思ふのです。そこでまアみんな、いはゆるほかの部門との間に、共通な表現を発見するだらうと思ふのですね。国民音楽とかなんとかいふことも今云はれてゐますし、国民演劇なんといふ問題も盛んに方々で論議されてゐるやうですけれど、かういふ機会に文学、芸術などを一丸として、国民的なものとはどういふものか? といふことを研究する。しかもそれは押し出してゆくといふより、寧ろみんながモヤモヤと頭の中でもつてゐるものを並べて見たら、その中からきつと共通な理念が発見できるんぢやないかといふ期待をもつてゐるわけです。
 こんど文化部で、さういふ意味で面白い仕事ができるだらうと思ふことは、いま文化部門と普通云はれてゐる部門ですね、それが全部文化部の中に入つて、その中で、専門会議といふやうなものを幾つも創るわけです。僕だけの考へですけれど、科学のはうですね、これは技術を含むでせう。それから文学、芸術、宗教、教育、ジヤーナリズム、出版といふやうな専門会議がある。それから特殊問題の研究委員会を拵へる。それは国語問
前へ 次へ
全20ページ中9ページ目


小説の先頭へ
文字数選び直し
岸田 国士 の一覧に戻る
作家の選択に戻る
◆作家・作品検索◆
トップページ 登録 ご利用方法 ログイン
携帯用掲示板レンタル
携帯キャッシング