ならなければ駄目だと思ひますね。
 家庭の中でもいろいろ問題がある。それが、僕のはうでは生活文化の研究にはひる。生活文化では、衣食住、礼儀、家族主義――現代に最も適応した家族主義の健全な発達、それから風俗、さういふいろいろな問題をひとつ取り上げて、そいつを国民運動にまで発展させてゆきたいといふつもりなんです。
 まア、生活文化のさういふ風ないろいろな面は、だいたい三点から見られると思ふのです。第一は能率を上げるといふこと、これは国防国家として第一に必要なことだ。それからその次に健康性を取り戻すといふことです。これは精神的には国民の士気の上に最も影響がある。肉体的には無論体力の向上です。それからもう一つの問題は、趣味性だと思ふのです。これは国民品位といふ点、ことに他民族との接触が現在のやうな状態であるし、みづから指導民族を以て任じてゐるのですから、現在のやうな生活の中に瀰漫してゐる悪趣味といふものは、これはなんとかして匡正しなくちやならぬ。
 だいたい、その三点を目標にして、国民生活を高めてゆかうといふ僕の主旨なんです。
 女を教育しなければいかんと云ふんですね。その通りです。さう云ふと
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