独断一束
岸田國士
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【テキスト中に現れる記号について】
《》:ルビ
(例)治《なほ》す
[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
(例)むき[#「むき」に傍点]になつて
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思想
芸術としての思想の魅力は、芸術家が、その思想を、軽く掌の上にのせてゐる時にのみ、われわれの心を動かす。
時代意識
時代意識がない、それで、その作品に、なにか大事なものが欠けてゐるやうに思ふのは、創作を深呼吸と間違へてゐるのだ。
健康な小児の、静かな寝息がわからないか。
慌てまいぞ、藪医者!
去年の星は、断じて、今年の星ではない――真面目に。
近代の日本
機智が重い靴を穿き、フアンテジイが片肌を脱ぎ、下らないことをむき[#「むき」に傍点]になつて下らながる近代の日本。
喜劇
喜劇のわからないことは最も喜劇的である――悲劇のわからないことが、屡々最も悲劇的であるやうに。
遊戯
芸術は遊戯に非ずと云ふもの、遊戯も亦芸術たり得る論理を知らなければならない。
鑑賞
知つてゐることしか解らない――これが俗
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