としては、愛子さんになぜ、こんな卑怯な、そして歯痒い取扱ひを受けなけりやならないのか、なぜもつと堂々と、僕に会ひたくないなら、ない――好意がもてなくなつたら、もてなくなつた釈明をしてくれないのか、その点だけを訊ねたく思ふんです。でなければ、僕は諦めるにも諦められないぢやありませんか。いつたい全体、この家ぢゆうの者がどうかしてるんだ!
一寿 大きな声を出さないでくれ給へ。隣近所があるんだぜ。印度洋の真ん中と違ふよ。
田所 印度洋の真ん中なら、あなた方の命《いのち》は、もうとつくになくなつてる筈だ!
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彼は、憤然と席を蹴つて、入口の方に去りかける。一寿は、慌ててそれを遮らうとするが、彼の出て行く方向が玄関なので、ほつとした形で、その後姿を見送つてゐる。
しばらくすると、らくが、おどおどしながらはいつて来る。茶器を片づけはじめる。
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らく お昼はどういたしませう。
一寿 (その方を見ないで、やや無言。やがて)今の話を聞いてゐたか?
らく いいえ……ええ、ところどころ……。
一寿 昼は、
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