職業(教訓劇)
岸田國士

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【テキスト中に現れる記号について】

《》:ルビ
(例)卓子《テーブル》

|:ルビの付く文字列の始まりを特定する記号
(例)椅子|卓子《テーブル》など

[#]:入力者注 主に外字の説明や、傍点の位置の指定
   (数字は、JIS X 0213の面区点番号、または底本のページと行数)
(例)※[#「言+墟のつくり」、第4水準2−88−74]

/\:二倍の踊り字(「く」を縦に長くしたような形の繰り返し記号)
(例)清々《すが/\》しい
−−

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ある新劇団の稽古場。

正面に黒の無地幕。部屋の中央に一脚のベンチ。ほかの家具類は悉く片隅に寄せてある。そこには、椅子|卓子《テーブル》などの外に、若干の小道具――乳母車、バケツ、洋刀、パラソル、三脚、毛布などが纏めて置いてある。右手に柱時計。

数名の男女俳優(又は研究生)が、思ひ思ひの姿勢で雑談を交してゐる。
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男優B  本を読むと、どんなもんでもみんな台詞《せりふ》にしたくなるね。
女優B′[#「B′」は縦中横
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