い、そこに新しい職域態勢を整へるといふ事について、特に注意して参らなければならないのであります。
 大政翼賛会が只今実行してをります「国民組織」の問題――これは大体「地域組織」と「職域組織」の両面に亘つてをりますが、文化部面においては職域の組織と地域における職域の組織といふものを考へて参らなければならないのであります。これが結局は文化機構の整備強化といふことになるのでありますが、職域の点から申しますと、全国同一の職域の一元的組織をつくると同時に、これは各地方において、府県を単位とする職域組織が作られなければならないのであります。これは府県支部がこの組織に当るのでありますが、これまた府県が職域組織を作る段階と致しまして、今日まで本部が考へてをります「文化団体の結成」といふことが考へられたのであります。
 文化団体は文化運動の主体であると同時に文化職域の整備の推進力でなければなりません。今日までは特にこの職域の整備といふことを、文化団体の主要な目標としてはをりませんでした、しかしながらこれは職域の整備を、非常に急がなければならないといふ事情と、もう一つは文化運動といふものが、漸次国民生活の
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