面と結びつくやうになつて参りまして、これは文化職域のものだけが文化運動を実践するのだといふ観念を、拡めて行かなければならない状態になつて来たと思ふのであります。
 従つて今後の文化団体は文化運動といふ点においては、文化団体のみの力で、この運動を進めるといふ形でなく、文化団体は凡ゆる団体乃至組織と協力して、文化運動を進めて行くといふ方向に、飛躍しなければならないと思ひます。
 そしてそのために、さういふ活動が最も有力になるためには、どうしても文化部面の職域の整備組織といふことに、重点を措かなければならないのであります。この職域の整備組織といふことは、翼賛会支部がこれに当るのでありますが、さういふ組織は決して翼賛会だけの力でできるものではないのであります。形だけができて魂が入らない組織にならないやうにするためには、一般文化職能人の自治的な力によつて、互に結合するといふ機運が昂められて来なければならんのであります。さういふ機運が昂められ、しかもこの組織のため、最も中心的な力となるのが将来の文化団体であります。
 で、文化団体はかういふ風にして文化職能人の一つの一元的な組織でありますから、他の
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