きると私は思ふのであります。
かういふことを考へましても、文化職能人の如何に今日いろいろな面において、その智能を提供する場面があるかといふことが分ると思ひます。また都市においてもこれに似た例が非常に多いのでありますが、これはいづれまた申上げる機会があると思ひますので略しますが、今日まで「かうしなければならぬ」といふことが解つてはゐる、しかしそれが却々できないといふ処に現代の文化的弱点があるのだと思ひます。誰でも「かうしなければならぬ」とは云ひますけれども、然らば「どうすればできるか」といふことまでは却々考へない。ここに将来の文化団体の工夫と努力が必要でありまして、しかもその工夫努力は必死の工夫努力が必要であります、同時にそれは非常に強力なる組織の力といふものが必要だといふことになるのであります。
また「どうすれば問題が解決するか」といふその方法も亦多くは非常に簡単なのであります。しかもその簡単な方法が、実践に移し得られない処にまた今日の社会機構に、いろいろな矛盾があるのであります。私はさういふものと今或る意味において、闘つて往かなければならんと思ふのであります。
民間の自発的な協
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