ゐるといふこと、それゆゑ、特別な待遇を受けてゐるといふことです。若さに免じて大目に見るといふところもあるでせうが、それよりもやはり、青年に対する世の中の期待の方が大きい。さう考へるのが当り前です。
青年にしてはじめて為し得る行動、青年でなければ易々とはできぬ人生の営みがそこにあるのであります。この時期を逸してはなりません。
もつと具体的に云つてみませう。
青年に対しては、誰も不必要な先入見をもたない。純潔は青年の生命だからです。例へば何処へ出かけて行つて、誰にでも会へる。またどんなことでも云つて、それに一応は耳を傾けさせるといふやうなことがこれです。
青年の欲求には、如何なる場合にも打算がないといふ魅力があります。分別臭さは断じて青年のものではない。右顧左眄は無用、善しと信じて直行すれば、常識ではどうにもならぬ現実が道をひらくのです。
青年のために、すべての学校が門戸をひらいてゐます。個人々々には望みの学校にはひれない事情があらうけれども、それすら、必ずしも不可能とは云へない。つまり、学校教育の施設は、悉くを挙げて、これこそ、専ら青年のために用意されてゐるのであります。
青
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