、「憂欝」の色などは、あまり仰々しく顔に出さぬがよろしいと思ひます。これまたひとつの「嗜み」であります。
 時にかういふ注意を附け加へたいと思ふわけは、前に挙げたやうな例を除いて、いつたいに青年の表情が暗く、活気に乏しいといふ印象を受けるからです。何が不平なのかと訊ねたいやうな「膨れ面」にも屡々出会ひます。これは青年に限りませんけれども、青年であるがためにひときは目立つのです。
 これも「憂欝」の一表情に違ひありませんが、それはもう、如何なる「夢」とも縁のない、いはゞ散文的な憂欝の一つで、むしろ、単に、不機嫌と云ふ方が当つてゐるでせう。常に小さなことに不平不満を抱き、或は泣寝入りをするか、小言を言ひくたびれするかして、なんとなく自信を失ひ、たゞ、欝積した不平不満が凝り固つておのづからの「仏頂面」を作りあげたといふ類ひの顔は、近頃そんなに珍しくないと私は思ひます。

「青年を示せ、汝の国の運命をわれ占はん」と云つた哲人がゐます。
「青年をしてその夢を語らしめよ。われその青年の前途を卜せん」と、私は、僭越ながら云ひきることができます。
 が、それよりも、こゝで私が「青年の夢と憂欝」といふ一
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