、なまじ学識や経験を超えて、はるかに鋭い直観となり、自ら求めるものを指し示さずにはおきません。もちろん漠然としたものであるかも知れません。しかし、それはそれでよろしい。一つの映像として脳裡に描き得る典型は、寧ろ捉へ難き永遠の夢なのです。現実にこれを求めんとすることは、すべての夢と同じく、それは無駄である。たゞ、その典型に通じるものを求めて、それを得れば大いに足れりとすべきであり、自ら典型に近づくことを努めて、一歩前に進み得たら、なほさら結構であります。
 試みに一二の例を挙げれば、農村青年の典型は、決して、農村青年としてのみ「模範的」であることではなく、すべての青年をして「あゝなりたい」と羨望せしめるていの魅力を備へてゐることが必要で、少くとも、「さぞ満足であらう」といふ感慨を催さしめる程度のものでなければなりません。
 また、これと同じことが、青年工員また商業青年についても云へるのであります。
 かういふことを云ふと、今では幾分不自然に聞えるかも知れませんが、それは現在までの世俗的な偏見に囚はれてゐるからで、農村も工場も会社商店も、国家的生産乃至配給の場としての権威を今や十分に発揮し
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