りを如実に示すための一糸乱れざる訓練によつて、そこから、世界的にも渇仰の的となり得る日本軍人の典型が生れたのでありますが、同じ日本人でありながら、他の職域に於ては、個人的価値は別として、未だ軍人に匹敵するほどの頼もしい典型が創り出されてゐないといふことは、今日、まことに心外の至りであります。
たゞ、私の考へでは、既に、社会の各層、各職域を通じ、個人的には、「立派な日本人」が存在し、一部からは「あゝなくては」と思はれてゐながら、それが全体の注目するところとならず、たとへ注目されてゐても、これこそ「典型」なりといふ共通の認識がまだできてゐない場合がありはせぬかと思ひます。そしてその半面には、さほどでもない人物が、たゞある種の行為、または特徴のために、過大評価され、俗論によつて、さもそれが「典型」であるかの如き取扱ひを受け、却つて心あるものの疑念を深めてゐるといふ事実もなくはありません。
真の典型の創造は、その発見とともに、かくの如き事情によつて屡々妨げられるものであります。
こゝに於て、青年の夢が、その純真な翼を大きくひろげなければなりません。強く正しく美しいものに対する青年の憧れは
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